過去の事例からⅡ

過去の事例からⅡ

依頼者の方などから相談を受けるとき「働いていると障害年金は受給できないのですか」と聞かれたりします。
そんな時は「働いているといっても、周りの方の援助や配慮があって何とか働けている状態なら受給の可能性はありますよ」と答えています。

実際に会社に勤めながら障害年金を受給している例は多くあります。

一般に「労働能力がある」とは、健常者などと同一の環境下で、同様の仕事をしている場合をいいます。
職場において、仕事が限定されている、残業は免除されている、同僚の手を借りながら仕事をしている等、特別な配慮がされている場合は「労働能力がある」とはいえません。

また、障害者雇用促進法の保護の下や社会復帰施設、社会福祉法人での簡易な軽労働の場合ももちろん「労働能力がある」とはいえません。

実際、だれでも知っている大企業にお勤めになられている障害者の方が、障害基礎年金2級を受給しておられます。これは、障害者雇用促進法で、その企業の雇用労働者数に応じて一定の障害者を雇用する義務があるためです。

そのような場合は、「労働能力がある」とはいえず、障害年金を受給することができる場合があります。働いていても、労働の内容によっては年金を受給できることがあることは是非知っておいてもらいたいと思います。



なお、会社に勤めながら障害年金を申請した中でこんな事例もありましたので、参考までに掲載いたします。

経緯

Aさんは、不幸にして手術後に下肢に障害が残ってしまいましたが、苦労しながらも毎日通勤し会社で働いていました。

依頼を受け障害年金の申請をすることになり、代理人として年金事務所に申請書類をもらいに行くと、窓口で「通勤できて働いていますから、年金の受給は無理だと思いますよ」と言われました。
さらに、申請する時も「無理だと思いますよ。それでも申請しますか」とも言われてしまいました。


しかし、ご本人の症状や就労状況を把握したうえで、認定される可能性は高いと思っていましたので、その言葉は当然のように無視しました。

言いたいこと

もし、これをご本人が直接言われたらあきらめてしまう可能性があるのではないかと思わずにはいられませんでした。年金事務所で無理だと言われれば、そうなのかとあきらめてしまうのも無理からぬことです。

ただ、年金受給の認定は年金事務所でおこなうわけではありませんし、まして申請の内容もよく把握もしていないのに、「働いている=年金はもらえな」という単純な思い込みであきらめさせるのは、いかがなものかと思います。また、それにこちらが従う義務もありません。

結果は

実際ご本人は,座れるように混まない始発電車に乗り時間をかけて通勤し、仕事でも周囲の配慮や援助が欠かせない状態で、その点は病歴・就労状況申立書にしっかりと記載しました。診断書も重い内容となっており、少なくとも3級にはなると考えていましたが、結果は予想以上の障害厚生年金2級に認定されました。

何らかの制限があって労働している場合は3級程度と大まかに考えていたのですが、診断書の内容やご本人の就労、生活状況によっては2級の可能性もあるのだと思い知らされた案件でもありました。

最後に

もちろん障害の症状や就労、日常生活の状況にもよりますが、働いているから年金はもらえないということはありませんので、是非申請をしてみてください。
また、年金事務所で「無理ですよ」と言われてもあきらめることはありません。その無理を覆すためにもしっかりとした準備をすることが大切だと思います。